プロローグ~愚者の諦念~

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また、僕は学校でも虐められていました。 大人を前にすると、父とどこかが重なってしまうので、先生というのが苦手でした。 よりにもよって、担任が父と同じ歳くらいに見える男でしたので、まさに悪夢を見ているようでした。 担任を見ると、手が震えてしまいます。 平静を保つように構えても、どうにも止まらず、震えは強くなるばかりでした。 そして、人は震える手を見るたびに耳打ちをして、影で謗るのでした。 もともと交友関係が薄かったこともあり、僕はまわりから浮く存在になりました。
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