プロローグ~愚者の諦念~

6/9
前へ
/15ページ
次へ
加えて、父の悪い噂が広がってしまいました。 その中には出任せもありましたが、大概が父のそれでした。 世間とは不条理なことに、自分たちと違う者は毛嫌いして、省こうとします。 異種は、世間では生きづらいのです。 はみ出者の父をもつ僕は、父と同等のはみ出者でして、まさに異種の者でした。 少なくとも世間はそう思ったのでしょう。 父の悪い噂が広がってしまったことにより、いよいよ“浮いた者“から、“けがれた者”へと様変わりしてしまったのです。 そうして、虐めの日々が、始まりました。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加