─春蘭─

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「郷、また鏡を見つめてるのか。 いくら見たって変わりはしないだろうに」 いつからいたのか、くすくす笑いながら兄が話しかけてきた。 「失礼な。 お兄様には私の気持ちなんかわからないんだわ」 妹から見ても整った顔立ちの兄。 切れ長の目な涼やかで、すっと通った鼻筋に品のいい唇。 不公平だわ。
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