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「郷……、来世でも僕の妻になってくれる?」 それは予想もしていなかった言葉。 やることすべてが裏目に出て、何も取り柄などないのに。 今に至っては、苦しみを増やしただけだというのに。 どうして、と聞きたかったが辞めた。 自分を選んでくれた、ただそれだけで幸せだ。 「……もちろんです。 嫌だと仰ってもまた押し掛けますからね」 そう答えると、義経がありがとう、と言った。 お礼を言うべきなのは私の方なのに。 貴方に出会えて、側に居させてもらって、最後にはこの上ない幸せをもらって。
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