いち

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 なんでこんなことになったんだ……。  前を歩く元気な姿に、私は深いため息をついた。  私の名はプラム=ライム。  こんな名前だが、れっきとした男だ。  西にある大国、ミルフィーユの王国騎士団長をしている。  そんな私の仕事は、名誉なことにもミルフィーユ王国王女であらせられるストロベリー様の護衛という、大変重要なことだった。  もちろん、初日のその日は名誉に思いつつも、恐れ多く思っていた。  だが……。  この姫様がとんだじゃじゃ馬だった。  城を抜け出すのは日常茶飯事。  国で開かれる武術大会に出場しては優勝を掻っ攫うとんでもない姫君だった。 「なにをしてるの?!プラム!さっさと盗賊団を退治に行くわよ!!」 「姫様!お城へ戻りましょう。盗賊団を倒すなど。危険なことはおやめください!!」  いくら武術大会で優勝しようが、そこらへんの盗賊団より間違いなく強かろうが、姫は姫だ。  必死にお止めするものの、私の話など少しも聞いてくださらない。 「何を言ってるの!民を苦しめる盗賊団をワタクシが退治しないで、誰が退治するの?!」 「騎士団がおりますっ!!」 「ワタクシより弱い騎士団なんて当てにならないわ。だいたい、もう着いたわよ」  弱いって……私はその騎士団の団長なんですが……。  私が落ち込んでいるのを軽く無視し、姫様が指さす先には、盗賊団のアジト……。  いっ、いつの間にこんなところにっ?!
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