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「さあ、どんどん行くわよ、プラム!」
「ひっ、姫様っ!!」
言ったと同時に姫様が呪文詠唱を開始させる。
ちょっと待った。
その呪文って……!!
「さぁ、滅びなさいっ!!」
「滅ぼしちゃダメですっ!!」
私の制止は虚しくも聞かれず、広範囲無差別攻撃魔法が盗賊団のアジトに命中したのだった。
な、なんてことを……。
アジトは見事に壊滅。
盗賊団達は……。
「ふふん。出てきたわね」
姫様の言葉通り、崩れた瓦礫の下からズタボロになった盗賊団がずるずると這い出てきた。
……不幸な……
「なっ、なにしやがるんだっ!!」
「なにって?盗賊団がいると聞いたから、一発ぶち込んであげただけよ」
その一発がとてつもなくでかいのですが……。
「このガキィっ!!」
「ガキ?ガキですって?!ワタクシはここ、ミルフィーユ王国の王女ストロベリーよ!プラム!あいつら全員、不敬罪で捕らえなさい!!」
「いやいやいや、人数多すぎますって!!」
「あなたはわが国が誇る騎士団の団長でしょう?!その程度できなくてどうするの?!」
どうするのって……
いくらなんでも数が多すぎる。
確かにその半数は姫様の攻撃魔法で死ぬ一歩手前だが、被害が少ないものはばっちり戦えそうなのだ。
ああああ、これじゃ絶対に話し合いとか無理だよな。
「何を言ってるの。話しあいなんて必要ないわ。さっさと捕えて、拷問でもして宝の場所をはかせてればいいのよ!それを元の持ち主のところへ戻せば万々歳だわ!」
「……この状態だと、その宝も埋まってそうなのですが」
なにせ、姫様の攻撃魔法でアジトは崩壊してるのだ。
この中にあったら間違いなく埋まってる。
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