小さな商業の街“エリトマ”

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「さて、本題に戻るが、この三つは、合計で三十五万ゼルで買わせてもらう、いいな?」 「……それは良いですが、お金有るんですか、スミスさん?」 アルがそう言うと、頭に拳骨が落とされる。アルはあまりの痛さにうずくまっていると、金を持ってきたスミスがうちはかなり儲けてんだよっ!!とアルの前に金を見せながら大声で言った。 「……すいませんでした」 「わかれば宜しい」 アルは金を受け取ると、腰に付けている袋にしまい、それではっと言うと、荷車を持って次の場所へ向かおうとする。しかし、アルは少し歩いたところで、振り向く。そして笑顔で有り難うございますっ!!と言うと、また歩き出した。 それを見たスミスは、手を振りながらじゃあなっ!!と言うと、仕事場へと戻っていく。その際、もう一度アルを見ると、左手で頭をさすっている彼が見えた。 鍛冶屋を出て数分後、次の目的地に着く。そこは、大きな看板に“装飾品店アイナの店”と書かれている装飾品店であった。 「失礼しまーす、アイナさーん?」 アルが、少し大きな声で言うと、奥からはーいっ!!という元気そうな声がする。 「いらっしゃーい!! ってアルくんじゃん!? どうしたの? あたしになんか用なの!?」 そう言いながらアイナと呼ばれる女性は、嬉しそうにアルに飛びつく。その際アルは、腹部に何か柔らかい物が当たるのを感じ赤くなったが、我慢をして抑えアイナを離した。そして、落ち着くために大きく息を吐くと、離されて頬を膨らましているアイナに目的を伝える。 「はい、アイナさん。今日はアイナさんに譲りたい物があるのですが…」 「え!? 何!? 何!? 可愛いの、可愛いのなの!? やったーーー!! さすがアルくんっ!!」 「……少し落ち着いてもらえますか? 今持ってくるんで……」 「はーーーいッ!!」
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