ふたりのはじまり

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「だって、こっちのほうがかわいいし」 「ちょっとやめてちょうだい。初日からそんな格好!せめて今日ぐらいはちゃんと……」 「もぉ~。ウルサ~イ!いいの、これで!ってか、もうご飯食べてる時間ないし行くね」 「ちょ、ちょっと、遥香!」 「いってきまぁ~す」 春といっても、まだ少し肌寒い季節。 新しい学校までは歩いて20分ぐらい。 どんな学校なんだろ?友達できるかな?ちゃんとなじめるかな? 考えてもしょうがない。とりあえず急がなきゃ。小走りで新しい学校までの道のりを急いだ。 ん? 家と学校のちょうど中間ぐらいに古びた駄菓子屋がある。そこに学ランを着た男の子たちがたむろっていた。 「うわぁ~ガラ悪っ。同じ学校の子かなぁ」 そう思いながら、駄菓子屋の前を小走りで通りすぎる。 「ぎゃははははっ」 「マジかよぉ~」 「ざけんなって!」 男の子たちのジャレあってる声―。
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