─要因と清算─

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「蜃気楼か……? ったく、ユーラ。友達は選べといつも言ってやっただろう」 「友達に見えますか!? 私は貴方を友達に選んだ事を後悔しそうです!」 「ボクもボクも。うん、後悔」 「初対面の女性に後悔された……!」  仕切り直し。 「誰だテメェは」 「ボクかな? うん、ボクだね。誰だと思うかな? うん、なぞなぞ」 「ユーラの妹?」 「トビ君。真面目にしないと怒りますよ」 「なぁアンタ。今晩空いてる? アンタにお礼がしたいんだ」 「誰が真面目に口説けと言いましたか! お礼をする理由も無いでしょう!?」 「あ、空いてるよ。うん、夜なら」 「私……いつもこんな立場です」  まとめ役。あまり威厳的なモノが無いユーラは、苦労しがちな性格だ。 「くすくす、楽しいね。でもキミ達はギルドの人間。うん、敵なんだ」  そう言って、灰髪ピエロは手を広げる。 「そりゃ残念だ。アンタみてーな美人と敵だなんてな」 「む……。トビ君。それ以上口説いたらルーイ見つけた時に陰口しちゃいますよ?」  何気なく、ユーラが言った。  そして、それにピエロが返す。 「ルーイ? もしかして、ルーイ=ピクセルの事かな?うん、聞いた事ある」
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