─要因と清算─

6/32
前へ
/598ページ
次へ
 ──金属音。 「何処でその名を聞いた。四肢切断で吐くか、五体満足で吐くか。五秒で選べ」  一瞬。刹那。  『ルーイ=ピクセル』。  その名を聞いた次には、 「……怖いなぁ。女の子には優しくしないと。うん、失礼な人」 「悪いが時と場合によるんだよ。只の死神に甘い展開期待すんな」  大きな、三日月形の鎌をピエロの喉元に突き付けていた。  既に一筋の血が流れている。  容赦が、無かった。 「死神……? あ、ならキミも〝ギルドの強い人〟なんだね。うん、騙された」 「五秒だ。恨むなよ」  そしてトビは、大鎌に力を込める。  対して、笑う女。 「クス……良いのかな? キミの友達、痛がってるよ? うん、流血」 「あ……?」  目線の先、ピエロと相対していたユーラが、 「なっ……ユーラ!?」  斬られていた。  何かに、傷は浅いが確実に。 「隙見っけ。うん、やっぱり女の子に甘い」  そこでピエロは素早く動き、トビに対して回し蹴りを放つ。片足を軸にした鋭いモーションだ。 「チィ……!」  隙を突かれた。  それでもトビは、回し蹴りを鎌の腹で受ける。  衝撃を殺すように後ろへと退き、ユーラの元まで飛び戻った。
/598ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53889人が本棚に入れています
本棚に追加