─事後談─

8/13
前へ
/598ページ
次へ
     * * * 『……で、仕事は終わりはったん?』 『どないしたんや扇子の。なんや怒っとんのかいな』 『あんさんには関係ありまへん。喋りが似とりますさかい、ウチには話し掛けんとっておくれやす』 『つれへんなぁ、普通やったら意気投合やっちゅうのに。まぁワイも、別段そこまで気にしとる訳ちゃうけどや』 『……私語、厳禁』 『タナトスの言ウ通りだネ。毎度毎度騒がシイんだヨ君たチハ』 『なんや……上からほざきよるやんけ』 『君よリは上だト自負してイるヨ』 『ドクトル、キミも騒がしくなってるよ。うん、つられてる』 『喋るな阿呆が。王の御前だ』  六つの声が交差した後、また影の世界は静寂に戻る。  声。  言ってみれば、〝声〟という生き物がその場に集まっていた。  そして更に、声が一つ。 『構わん。楽にしろよ。地下の一件のおかげで、作戦も順調だ……良くやったな。ナデシコ、クィンハート』 『……別に、あんさんの為やおまへん』 『あくまでも、自分の為。うん、利害一致』 『おい……』 『構わんサスケ。別段俺が上に居る訳じゃない以上、丁度良いというものだ』  凄惨な含み笑いが一つだけ響き、しかし周りは無反応。  あまりにも、協調性というものには欠けていた。いや、必要とすらしてない風だ。
/598ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53888人が本棚に入れています
本棚に追加