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「あ、そぉかそぉか。レイン〝ちゃん〟は女の子には興味無いんだったなぁ。いや悪い、忘れてたよぉ」
ぴくり、と。
ドアを閉める動作を無意識に止める。ははは。おいおいカイル。キサマは何を言っているんだ?
「だよなぁ。レインは女の子みたいな顔だし、今でさえ二人のセンパイに告白されてるしな? 男の」
「バチッ」
勝手に体に放電現象が起こった。待て待て、待てよ。あの先輩方が来た時、お前は居なかった筈なんだがな……!
「それじゃ仕方ない。他のヤツ誘うよ。ちゃんとした〝男の子〟を」
ガシッ(肩を掴む)。
「んー? どうしたレイン。なんか用か?」
口と目が最大までにやけているカイルに、俺は真剣な眼差しを向けた。
「……やるからには勝利のみだ」
「流石相棒、男の中の男だ」
「待ってろ、準備してくる」
もう良い。
公序良俗なんて知ったこっちゃねェ。俺を男として学園中に認識させる為に、三年生の女子方々に生け贄になってもらおうじゃねーか……!
ここに、聖なる戦いの幕が開かれた。
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