0人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「ねえ、何してるの?」
ティニアが、アルディの傍らに歩み寄り、聞いた。アルディは装置から目を離さずに答える。
「ああ。昼間、少し分かった事があったからな。こっちにも組み込めないかやってるんだ」
アルディは本当に天才だと思う。出会ってまだ一日も経っていないが。モンスターに遭遇するまでの短い時間で、分かった事があるなんて、すごいと思う。モンスターの目を使えなくしたのも彼だし。
「さて…いい感じだな。もう休むか。明日もまた、九十九階に行くんだろ?」
アルディが振り返って、部屋の隅に座るラークに話しかける。
「ああ。じゃあそうしよう」
思いの外、体は疲れていたのかも知れない。簡素な寝床の割に、まぶたはすぐに重くなった。
最初のコメントを投稿しよう!