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…ここです。
ここにあります。
どうか見つけて…。
本当は、九十九階じゃない…。
はっ!
不思議な声が聞こえた気がして、ラークは飛び起きた。
「夢…?」
しかし、聞こえた声はあの白い影が発していた声に似ていた。また、何かをラークに教えようとしていたような。
辺りはもう明るい。どうやら朝になったようだ。まだぼんやりとする頭のまま、周囲を見回した。
「ほらよ」
アルディがラークの目の前に、サンドイッチを差し出した。
「あ、ありがとう」
受け取りながら、ティニアを探す。
「ああ、ティニアなら…あっちだ」
アルディがラークの様子に気付き、教えてくれる。
「あ、ラークおはよう」
「うん。…何してんの?」
ティニアの元へ行くと、彼女は食パンを切ったりレタスをちぎったりしていた。
「何って朝食作り。ラークも早く食べちゃってよ、それ」
ラークが手に持っている皿をちらりと見ながら、ティニアがてきぱきとサンドイッチを作っている。
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