0人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん。昨日から、俺の周りに白い影がいたりしてるんだ…」
調べる為には、まず全てを話さなきゃいけない。ラークは、昨日感じた白い影の存在、そして今朝の夢を二人に話した。
「…何かを俺に。俺達に教えようとしている気がするんだ」
ラークの話を、真剣に聞いていたアルディは、ぽつりと言った。
「それ、ニーナなんじゃないのか?」
「ニーナ…?」
「ああ。ニーナの部屋に現れて、女の声で助言をしてくる…妥当な読みだと思うが」
そうかも知れない。彼女は亡くなっているし、実体がないのも頷ける。彼女は幽霊になってまで、何かを伝えようとしている。
「幽霊か…もしかしたらニーナの死にも、何か大きな理由があるのかもな」
幽霊になるという事は、この世に未練があるという事だろうし、普通に死んだなら、そうそう未練が残る訳もない。アルディの読みが真実なら、ニーナしか知らない事実を教えようとしているのかも知れない。
「じゃあ、『本当は九十九階じゃない』っていうのも…」
ラークの呟きに、アルディが頷く。
「ニーナしか知り得ない、百階…とかがあるのかもな」
最初のコメントを投稿しよう!