7/8
前へ
/53ページ
次へ
「うん。昨日から、俺の周りに白い影がいたりしてるんだ…」 調べる為には、まず全てを話さなきゃいけない。ラークは、昨日感じた白い影の存在、そして今朝の夢を二人に話した。 「…何かを俺に。俺達に教えようとしている気がするんだ」 ラークの話を、真剣に聞いていたアルディは、ぽつりと言った。 「それ、ニーナなんじゃないのか?」 「ニーナ…?」 「ああ。ニーナの部屋に現れて、女の声で助言をしてくる…妥当な読みだと思うが」 そうかも知れない。彼女は亡くなっているし、実体がないのも頷ける。彼女は幽霊になってまで、何かを伝えようとしている。 「幽霊か…もしかしたらニーナの死にも、何か大きな理由があるのかもな」 幽霊になるという事は、この世に未練があるという事だろうし、普通に死んだなら、そうそう未練が残る訳もない。アルディの読みが真実なら、ニーナしか知らない事実を教えようとしているのかも知れない。 「じゃあ、『本当は九十九階じゃない』っていうのも…」 ラークの呟きに、アルディが頷く。 「ニーナしか知り得ない、百階…とかがあるのかもな」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加