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百階…天井ではない気がしたし、あの時影が指さしたのは、百階の事なのか。
「だが、エレベーターには本当に九十九階までしか表示されないからな」
念を押すようにアルディ。
「ニーナ様の部屋から、上に行けるとか?」
ティニアが考えながら言う。ラークが深く頷いた。
「そうかも。もう一度、彼女の部屋に行ってみよう」
昨日は灯りが一つだったし、良く見えなかったから分からなかったのかも知れない。今日探したら、上に行くエレベーターなり階段なりが見つかるかも。三人はニーナの部屋の中で、手分けしてあちこちを探した。
可愛らしいベッド、鏡の置かれたデスク、不気味な装置…昨日と変わらない家具。
「何もないな…」
と、その時だ。ティニアが小さな声をあげた。
「ね、ねえ…これ」
二人に声をかけ、指を差して壁の一部分を示す。
「?…ボタン?」
エレベーターのパネルにあったようなボタンが、そこに埋め込まれていた。アルディがぱっとその下の床を見る。うっすらと溝がある。
「やはりな。これで間違いなさそうだ。やったな、ティニア」
「ほんと!? やったね!」
アルディに褒められ、嬉しそうに笑うティニア。
「じゃあ、押してみるぞ。いいか?」
アルディの問いかけに、ラークもティニアもゆっくりと頷いた。
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