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「はあぁぁ~~~」
くっつく春姉を説得し、教室について席につくなり俺は深い深い溜息をついた。いや、つかずにはいられない。
「毎日毎日大変だな冬馬。」
ぐてーとしていると小学生の頃からの友達の津田直樹(ツダナオキ)が話し掛けてきた。
「おはよう直樹。うん……こればっかりは慣れないよ。」
「まあ、俺はお前の味方だからな?」
「直樹……ありがとー!」
俺はたまらず直樹に抱き着いた。やっぱり、直樹はいい奴だよ。
「………はっ」
いや待て…冷静になれ俺。よくよく考えれば、男が男に抱き着くというおかしな構図だぞこれ。
周りを見渡すとクラスメート全員が俺と直樹を見ていた。
しかも女子は頬を赤く染めて見ている人もいる。
うん、直樹はかっこいいからな。俺が憧れるくらいだし。
「じゃなくて………ご、ごめん。」
俺は即座に直樹から離れた。
「いや気にするな……他の男が俺に抱き着くのは嫌だが、冬馬…お前ならいい。」
「え………うえぇ!!」
そのあと、教室は一際大きな歓声に包まれた。
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