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「もう~。お兄ちゃんってばいきなり酷いよ~。」
初めこそ驚いて目を見開いていたが、数秒もして状況を把握すると今度は頬を膨らましてむくれている。
相変わらずかわいい妹だ。
「悪い悪い。しかしいきなり入ってくるおまえにも問題があると思うぞ?」
とはいえこちらにも多少の言い分はある。
素直に謝るだけならできるが、一応常識というのも教えるのが兄というものだからな。
「む~。だっていきなり入らないとこんなことにならないじゃん?」
チュパ………と、いやらしい音をたてながら、たっぷりと顔中に付着した俺のヨーグルトを口に運ぶ妹。
確信犯か………まったくうちの妹はとんだ困ったちゃんだな。
そんな子にはお仕置き………だな。
「ちょっとこっちまでおいで。」
「………?はぁい。」
俺の呼びかけに、素直に応じてとことことこちらに駆け寄ってくる。
その愛らしい姿はまるでペンギンのようだ。
「よしよし、いい子だ。」
目の前にまできた愛しい妹の頭に手をおき、優しく撫でてやる。
とてもさらさらで触り心地のいい髪だ。
「ふにゃ~。」
妹は妹で、セミロングの髪を揺らしながら目を細めて気持ち良さそうにしている。
「よし、じゃあちょっと口を開けてみろ。」
「………?あーん。」
突然の要望に、訳が分からないという風な顔をする。
しかし純粋で素直な妹は直ぐさまその小さい口を開いてくれた。
俺は撫でていた手を止め、妹の後頭部にまで移動させる。
「――んぶぅ!?」
そして妹のその小さな口に、元気を取り戻してビクンビクンと震えていた我が息子を勢いよく突き入れた。
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