8人が本棚に入れています
本棚に追加
「という夢を見たんだ」
「ブハハハハハハ!お前最高!」
場所はとある学校の教室。
時は昼休み。
周りは皆それぞれグループを作って楽しく食事をしている。
そんな教室の片隅、窓際の一番後ろという絶好のポジションに座っているいかにも誠実そうで紳士的な人物が俺だ。
そして俺と対面した状態で爆笑している人物が俺の悪友かつ親友。
正直口に入っている食べ物が飛んでくるからやめてほしい。
「だろ?とても紳士的ないい夢を見た。あれはきっと天からのお告げ………正夢になるに違いない!」
窓から青い空を見上げながら力強く拳を握って見せる。
対面にいる悪友こと新人は更に大爆笑。
むしろむせて口の中のものが飛び出している。
本当にやめてほしい。
「ゲホッ…ゲホ。…フヒー、ヒー。腹いてえ。っていうかお前妹いねえじゃん」
あんまりにもリアルだったので俺は今朝の夢を正夢と確信した。そのリアルさと言えば、朝一番にこっそりとパンツ洗ったほどだ。
だがしかし、新人の言った通り俺には妹がいない。それどころか一人っ子だ。
「いや、何も全てが一致するわけではないんだろう。きっと彼女が出来たりして朝一番にああなるとか」
「彼女ができる正夢じゃなくて処理をしてくれる正夢を先に見るのかお前は」
「もしくは義理の妹ができてああなるとか………」
「その夢がリアルなのってお前のその豊かすぎる想像力のせいじゃね?」
「初対面でギクシャクしながらも恥ずかしそうにお兄ちゃんとか言われた日にはもう………」
「いや聞けよ」
「ああ!ダメだよ。俺達は義理とはいえ兄妹なんだからこんなことは………」
「ダメだこいつ早くなんとかしないと」
俺の独り言とも言える言葉をしっかり拾って処理してくれる新人は流石だと思う。
しかし俺は正夢がどんなふうに実現するのか予想するので一杯一杯である。
最初のコメントを投稿しよう!