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学年主任は、一度下を向き深い息を吐いた。
「他の生徒の個人的な事での問題だ。簡単に言うと今、芳澤が同室の奴の会社を芳澤グループが潰した。このまま同室にさせておくのは危険だからだ。」
今度は私がため息を付く番だった。
今は入学式前。
空いている部屋は新入生の為で、部屋割りを考えるのに生徒会長である私も携わった。
だからこそ部屋に余分な空きが無いことも知っている。
「…わかりました。」
偉い人たちの事情はよく分からず、巻き込まれる事に良い気はしないが、恩を売っておくのは悪くない。
自分は優等生。
ごねても仕方ない。
こうして3年の4月。
久臣と同室にならざるをえなくなってしまったのである。
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