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◆ ◆ ◆
「ケイリィィィ!」
夢世界。
そこは、夢列車が夢のゲートを潜った先にある。
とても広い夢の世界で、夢にはある終わりがない。
一説では神の夢という話まである。
そして、ここには世界各地に向かう夢列車達が集まる、夢列車のターミナルであった。
今さっき夢列車アジア方面行は夢を配り終わり、管理局のホームへと着いたのだ。
「ぐっはぁ!」
だが、俺は客車から降りた途端、キャブと言われる機関車の運転室から降りてきた少女の体当たりに直撃した。
「今日も平和だったねぇケイリ! あんたが退屈してた間、あたし達は速度計やらシリンダー圧力計やらと睨めっこしながら作業してさ、大変だったよ!」
この少女の名は鉄線カエデ。
この夢列車、C59型蒸気機関車の機関士を務めている炎のように赤い髪をポニーテールにしている、素晴らしい胸を持った元気娘だ。
「ギブギブギブギブ!」
カエデは俺には訳が分かんない専門用語を言いながら、倒れた俺に押え込みをかけてくる。
慌てて俺は地面を叩いて降参の意を示した。
「うん? 今日もあたしの勝ちか?」
「何でいつも勝負になってんだよ……」
いつも降りる時は戦闘態勢でなくちゃいけないじゃないか……嫌だよ疲れるし。
「ケイリお兄ちゃーん!」
今度は、列車から白銀の綺麗な髪をたなびかせ、10代に入ったか、入ってないかぐらいの可愛らしい幼女がこちらに駆け寄ってきた。
「ケイリお兄ちゃん! 今日は何で来てくれなかったの!?」
そのまま俺に抱きついてきて、非難の声をあげる。
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