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ム《…もしもし?》
ガ「あっ!!もしもし!?ムック!?」
ム《ちょっと落ち着けよー》
ガ「だってあんなメールの後に返信が来ないって心配すんだろ!?」
ム《ハハハハハ…まぁ、うん。今日のことは忘れてよ?》
ガ「………」
ム《どうかしたの?》
ガ「……ご、めん」
今、やっと分かった。今さっきのメールは冗談なんかじゃない。ムックは……
そう分かった瞬間自分がどれだけコイツを苦しめたのかと思ったら泣きそうになった。……泣くべきは俺じゃないのに。
ム《……なぁ》
ガ「……うん…?」
ム《やっぱり忘れないでよ。》
ガ「……うん。分かった…」
そう言ったムックの声は苦しみに耐える声じゃなかった。今にも消えそうで全て分かったからの絶望感を受け止めていた。
ム《おやすみ!!》
ガ「……おう!!おやすみ!!」
ピッ ツーツー
俺がフッた。そう。俺がフられたわけじゃない。なのにこんなにも苦しいのはなんで?何かが足りないような感じ。呆然とベッドの横で立っている自分は世界でただ1人になってしまったかのような絶望感に潰されそうで仕方ない。
ガ「……っ!!」
声を出さずに泣いた。
こんなに泣くなんてと冷静に考えながら止まらない涙をぬぐう事しか出来ない自分がいた。
ガ「ごめん…」
なんて何回言っても仕方ない。
分かっているのに涙は止まらない。
ガ「ごめん…!!」
背中を壁に着けて座りこんだ自分はどれだけ情けないか。
ガ「ごめん…ごめんっ…!!」
誰でもいい。
誰でもいいから
お願いだから
涙を止めて
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