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井上直人(イノウエナオト)17歳。高校2年生。
特に何らかの才能があるワケでもなく、いたって普通な彼は今日もトボトボと学校から帰っていた。
「あぁ…今日も1日終わったな…。」
1人でそんなふうにボヤキながら歩いていると、
前にはいかにも的な不良が3人…。
「兄ちゃ~ん、ヒマそうにしてるね~。俺らと遊ばねーかぃ?」
そう言って彼らは直人を取り囲んだ。
(あぁ……。今日もまたこんな目に…。)
大した力もなく貧弱な彼は、そのひ弱そうな体からかよく不良に絡まれた。
「すいません、今日はちょっと用事があって…」
顔を伏せながら直人が言うと、
「オイオ~イ、つれねーこと言うなよなぁ。
じゃあ金貸してくんね?」
「いや、お金はちょっと…」
「あ゙ぁ!?テメーみてーな死んだようなツラしたヤツが一体何に金なんか使うんだよ!黙って渡せコラ!!」
「イっ……イヤだ。」
「ほ~…歯向かうときだけは元気いいな」
5分後―。
鼻血を流し顔はアザだらけで、制服もボロボロになった直人は苦しそうにうつ伏せになって倒れていた。
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