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「大人しく金だけ出しときゃあ痛い思いせずに済んだのにねぇ~。
じゃあな。死んだ目をした少年。」
不良たちは直人をボコボコにして財布を引ったくって帰っていった。
「…う~…。イテテ…。」
直人は顔を歪めながらゆっくりと仰向けになった。
「はぁ~…死んだ目かぁ…。」
雲ひとつない赤やけた空を見ながら呟く。
空を見つめるその目は、どこか寂しそうに赤色を映し出していた。
ボクの人生なんて楽しいことなんてない…。
春哉…ボクもうなんか疲れたよ…。
直人が自暴自棄になっていたそのとき…
「ハッハッハァ!ものスゲェ負の匂いがするぞぉ~!」
その声とともにいきなり空から何か黒い物体が降りてきた。
物体と言うよりどうやら生物のようだ。カラダは人型っぽく全身黒色でギラついている瞳は真っ赤。口は鋭そうな牙を携えており、頭には闘牛よりもいかつい角が2本生えていた。
背中には黒い大きな翼があり、バサバサと大きな音をたてている。
近づくにつれだんだんと明らかになっていくその姿。まさしく地獄に巣食う悪魔と言うのが正しいのか。
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