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「…ったく…いいかぁ?ちったぁ落ち着いて俺ェの話を聞けぇ」
ロイはそうは言ったもののいまだに混乱の最中にいる直人を見て溜め息をついた。
「あ゙ー!メンドくせぇ!今もう食っちまうかなぁ!」
ロイは立ち上がり両手を頭の後ろに回し抱えてだるそうに言った。
その言葉に直人はようやく素に戻った。
そして冷静な顔で
「…く、食う?ボ、ボクをですか?」
直人はおそるおそる尋ねた。
「あたりめーだろうがよぉ!テメェ以外に誰がいるっつーんだぁ?」
直人がようやく話を聞く態勢になったため、ロイは続ける。
「俺ェの一族は負のオーラが出ているものが大好きなんだぁ。特に人間は負のオーラ出まくりな生き物だからなぁ。今のテメェみてぇになぁ。」
ニヤッと牙を見せながら直人を見た。
直人はその笑みにビクッと体を震わせた。
ロイは直人の周りをゆっくり歩きながらを更に続ける。
「負のオーラってぇのは言わば負の感情だぁ。自分ダメだと思うヤツや恨みなんかを持つヤツ、つまり黒い部分を多く持ってるヤツがよく出るんだぁ。
テメェは何があったかは知らねえがものスゲェ出てたなぁ。俺ェは目で見れることはもちろん鼻でも匂いをかぎ分けれんだぁ。」
長い説明をして直人の正面まで来ると最後に鼻をトントンと軽くたたいた。
「そうそう。テメェは名前なんつーんだよぉ?」
腕を組みながら思い出したかのように今一度直人に尋ねた。
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