ペット

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彼は子供の頃、動物が大好きだった。 両親も動物が好きで、 ペットもたくさん飼っていた。 当時の彼の家には、 犬と猫とセキセイインコがいた。 犬の名前はコロといって、 家族の中で一番彼になついていたという。 彼が学校から帰ってくると真っ先に出迎えて、 飛びついてきて、 彼の顔をペロペロと舐めた。 散歩が大好きで、 彼が散歩用の綱を持っただけで、 尻尾を振りながら、彼の周りをクルクルと回って喜んだという。 猫はミーコという名のメスの白い猫で、 母親に一番なついていた。 母親がどこにいても必ずその足元に絡みついて、 母親が座れば、その膝の上に乗ってゴロゴロと喉を鳴らした。 インコは、チースケという名前で、 父親の教えた言葉をよく喋った。 「オハヨウ」 「チースケ」 「オトーサン」 など。 ただし、 覚えるのは父親の教えた言葉ばかりで、 彼や母親が教えてもなかなか覚えなかった。 カゴから出すと、バタバタと飛んで、 必ず父親の肩に止まったという。 ある夜。 真夜中だったという。 彼はふと目覚めた。 トイレに行こうと、 二階の自分の部屋から出て階段を下りた。
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