一章 橘慶

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吸血鬼たちはレイをちらりと見たが、気付かなかっただけだと思い込んだようだ。すぐ慶に視線を戻した。 「血をくれ……」 「腹が減ったなぁ!いひひ……」 ゾンビの様にユラユラと歩いてくるのかと思ったが、しっかりとした足どりの者もいる。 吸血鬼たちに眉一つ動かさず対面する慶。何の構えも無く、自然体だ。 「……。」 こばかにした様に吸血鬼を見る慶。何か感じたのか、女の吸血鬼がちらりと目配せするが、一番前の痩せた男が慶に飛び掛かった!
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