232人が本棚に入れています
本棚に追加
今はもう、肌寒くなってきた、秋。
俺は校門を通り、校舎へと入っていった。
「へっ…懐かしいな…。」
俺は靴を脱ぎ、一年前まで使っていた下駄箱を見て、そう呟いた。
「えっと…職員室はこっちだったな。」
俺は一年前の記憶をもとに、校舎の中を歩く。
「おおっ、ここだここだ。」
目的の職員室を見つけ、ドアを開く。
「ちわっす!お久しぶりです!」
俺は元気よくそう言ったが、職員室にいる先生達は固まっていた。
「あれ?俺のこと忘れました?」
「わ…忘れられるか、ボケ!」
俺の言葉にそう返したのは、一年前、俺の担任だった先生。
「あっ、覚えててくれました?お久しぶりです。」
「忘れられる訳ないだろ…あれだけのことをされたら…。」
そう、俺は一年前、この学校を転校する時、盛大なお別れ会をした。
全校を巻き込んだお別れ会は、先生達にとっては忘れられないものだっただろう。
最初のコメントを投稿しよう!