プロローグ

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その一言をいった父さん。一瞬兄貴の目が冷めた者になる 「そっか……そういえば今月でローンも返済が終わるし丁度いいかな」 兄貴は意味深な一言を残して部屋に戻った ローン? ひょっとしてあのゲームの事をいってるんだろうか……確か値段は七十万じゃなかったか? そんな不安がよぎってから一週間後 「俺、この家出ていくよ」 兄貴は至って真顔でおれ達家族にそういった 「な、何をいってるんだ仁?」 最初に口火を切ったのは父さんだった 「そうよ、あなたここから出ていって住むとこどうするの?」 次に母さん、妹の千香は信じられないという顔をしている 「この半年……俺は身を粉にして働いて金を稼いだ、生計を立てた、親孝行をした……でも帰ってきた反応は希薄な者だった」 兄貴からはなんだか知らないがいいようのない威圧感を感じる そして三人の家族は兄貴の説得にかかる 住居、金、身の回りの事 俺には難しくて理解の届かない部分もあったが一つだけいえることはこの三人は何処か兄貴を下に見ていることだけがわかった
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