プロローグ

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「ああ、わかってる……明日には出るよ“親父”」 それが最初で最後……兄貴が父さんの事を親父っていった瞬間だった…… 俺は今兄貴の部屋にいる、昔見た兄貴の部屋は色んなものがあちらこちらに散乱して足の踏み場もなかったのに今は綺麗に片付けられていた。 必要なものは持っていき、いらないものは引っ越し時に捨てる これも業者に頼んでいたようだ……何から何まで用意周到だ あの三人は三人だけで飯を食べにいった……俺が兄貴の片付けを手伝いたいをいったら白い目で見られ、そのまま置いてきぼりにされた 「大和も飯を食いに行けばよかったのに」 「そんなことしたら兄貴が悲しむ」 そういってニヤリとする俺に兄貴もニヤリと返した 俺は妹の千香と違い兄貴と何故か気があった 趣味も好みも全然違ったけど何故か兄貴を嫌いになれなかったんだ 「そうだな……フフッ……大和はいつも皮肉をいいながら俺を庇ってくれた、あの時は立場が逆だっ気がする」 「気がするじゃなくてその通りだよ」 そして誰が合図したわけでもなう二人で笑いあう やっぱり寂しい……こんな兄貴でも俺の兄貴だからかな
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