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「左様でございますね…」
ふと、眼下でひたすら私に祈る女を見た。
《古きよき日本文化》からは掛け離れた格好をしている。
「お願いします…神様……」
"お願いします、お願いします"じゃ何をお願いしたいのかわかんないっすよ。…せっかく私がここにいるのに。
「ガラピョ…ニホン人は祈り方も知らないんすか?」
「そのようでございますな。」
ガラピョは呆れたような目でニホン人の女を見つめた。
「"人間"って…どんどん崩れていくんすね。」
こんなことなら地球なんかやめりゃーよかった。
「…わたくしめが間違っておりました。神様に地球をオススメしたばっかりに…」
「それは別にいいっすよ。どっちみち私の姿はあの人間には見えないし……願い事されても叶えるのが面倒っすよ。」
「……あなたというお方は。」
私は思わず苦笑した。
「やっぱり神様なんか向いてなかったんすよ。…あーすぐにでも辞めたいな。」
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