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「お前、あの事件が起きた学校から来たんだろ?」 とオレは聞いた。 「そうよ。」 「で、殺された全員お前と同じクラスの奴らで、お前はいじめられていたんだろ?」 少しはキレられるかなー?とは思ったが、木々崎が呼び出したんだから出て行きはしないだろ、と思い聞きたいことを言ってみた。 「そうよ。よく知ってるわね。」 木々崎は案外冷静に返事をした。 「そりゃそうだろ。クラスのみんながウワサしてっからな。」 「ほんと、迷惑よね。もともと仲良くなる気は無かったけど、勝手に嫌われるってのは気分が良くないわ。自ら嫌われたかった。」 「で、みんなはお前が殺ったんじゃないか。とか言ってたぞ。」 今度こそキレるかなー、と思うようなことを言ってみた。 「そう。そんなウワサしてるの。でもまぁ、今日呼んだのは愛の告白のためではなく、その事件についてのことなんだけど…」 木々崎は続けて言った。 「その事件について言いたいことがあるのよ。」 「何だよ?」 「あなた、その事件に興味があったわよね?」 「ああ。興味はある。」 オレは昔から殺人事件などの猟奇的な出来事に興味があった。 「その『夢を叶えた7人』についてなんだけど……」 木々崎は少し間をおいてから言った。 「私が犯人なのよ。」 「はっ??」 「だから、私が7人の夢を叶えてあげたのよ。」 今まで無表情だった彼女が、恥じらうように頬を赤らめながら言った。
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