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「だから、私が7人の夢を叶えてあげたのよ。」
と木々崎は顔を赤らめて、恥じらうように言った。
ガシャ、っとドアの方向から音がした。
誰かがこの話をドアの向こうから聞いているのかもしれないが、確認せずに続けた。
本来は、この話を誰かに聞かれたら木々崎は警察に捕まる可能性が高くなるわけだし、確認しにいくべきなのだろうが、この話を止めたくなかったし、止めたらもう二度と話してはくれない気がした。
だから確認はしなかった。
つか、どうして恥じらってんだ?って思ったけど、言わないでおいた。
「アナタはこういう事件に興味があるんじゃないかなー、って転校から2日後に思ったのよ。」
「お前と話したのって今が初めてだよな?何でそう思ったんだよ?」
確かにオレは興味があるわけだが、それを誰かにバラしたら相手がヒくレベルで興味があるので、誰にもバレないようにしていた。
「アナタは隠してるつもりかもしれないけど、私にはバレバレよ。見てるだけでわかるわ。」
「そうなのか。」
見てるだけでわかるのか。
どんな特殊能力なんだろう?
「つか、オレにバラしてどうしたいんだ?」
「あなたが興味あるんだったら、私がしたことを詳しく話してあげようと思ったのよ。」
「確かにそれはオレとしてはありがたいけど、お前に利点は1つもないよ。」
「別にいいわよ。私はあなたに事件について、詳細な殺し方とか、動機とかを話す。そしてあなたはそれらのことを聞いて喜ぶ。」
「なんだか皮肉も入ってる気がすっけど、まぁいいや。聞くことにしよう。」
けど、もしかしたら、コイツは『アレ』のためにオレに話すんじゃないかとか思ったが、そんなことはオレには関係ないか。
学校生活において全く無関係だったやつから興味がある話を聞けて、しかもオレにはリスクはほとんどないんだ。
まさにローリスクハイリターン。
「じゃあ、いつオレはお前の話を聞くことになるんだ?」
と木々崎に聞いた。
「放課後のこの教室で。けれど、この話を警察も含めて誰かに話すことはしないで欲しいわ。私だって警察には捕まりたくないもの。」
「わかった。誰にも話さない。」
「あと、誰かに聞かれるのも避けたいわ。」
「それはオレがどうこうできる話ではないぞ。」
「確かにそうかもしれないわ。なら私が気を付けるわ。」
「ああ、そうしてくれ。つか、毎日話すのか?」
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