私の行く先

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私は物心ついた頃から一度も人の愛を受け入れたことがなかった 生まれた環境が悪かったからと言い訳はしない それでもこの薄汚れた社会に順応するには 「愛を受け入れない。」とゆう方法しか思い付かなかった 他人の優しさを信用してはいけない 逆に生き残るためにはその優しさを利用すればいい 人は愛に飢えている 飢えるからこそ優しさ振りまき、そこから得た愛を貪る だからこそ愛とゆう餌は 私の最も効率的な武器となった… 私は今飼われている 正確には利用させてもらっている 孤児院から私を引き取ったのは もうすぐ人生の終わりを迎えそうな老夫婦 彼らには子供が居ない 仕事一筋で生きてきた人生 お互いに定年を迎えお金だけが虚しく残る そんな2人の気まぐれに私は選ばれたのだ 老夫婦はとても私に優しくしてくれる でもその優しさが私のためではないことを忘れてはいけない 優しさを真に受けていると、必ず後で後悔する それが人の心に眠る保身 余裕があるときは優しくなれるが 自分が不幸になったとき、その優しさの見返りを求めてくる その見返りは時として人を傷つける… だから私はこの老夫婦に同情はしない その優しさを利用するだけ… 彼らが亡くなるまでか、 私が成人するまでか、 それはまだ分からないが… 私はこの老夫婦の子供を今は演じ続ける
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