ペルーン・スリービィ編

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ボォ――……  小さな港町に大型船の汽笛の音が鳴り響く。すると、その音にも負けないくらいの大きな声が船着き場の方から町目掛けて聞こえてきた。 「いやっぁったぁぁっ!」  甲高い、まるで猿のような猫のようなキーッという声と、綺麗な青空色の片翼の翼に年齢は18歳くらいだろうか。  彼女の名は”ペルーン・スリービィ”海賊『Blue bird』の一員だ。  この”Blue bird”は、自由の海賊、良い事も悪い事も自分達の信じた道をただ突き進む、そんな海賊団だった。町の人達の評判もバラバラで、嫌がる人も居れば応援する人も居た。 「おっ頭っ! やったねぇ! 今日もお宝いっぱい奪えたねぇー!!」  ペルーンの見上げた先には、ペルーンよりも遥かに大きな図体をした人間が満面の笑みで、ガサツに笑いながら仁王立ちしていた。 「おうよぉっ! お前の魔法とずる賢さのおかげだぜぃっ!」  ポンッと優しくペルーンの頭を撫でる。 その手はまるで親が子供を褒める時みたいに優しさで溢れていた。 「えへへ……。私、役にたった?」 「あったりめぇだ! お前が居なかったらお宝は奪えなかったさ!! がっはっはっはっ!」  ガサツに笑う頭の横でペルーンは幸せいっぱいの笑顔で、がっはっはっはと同じように笑う。  そんな親子の様な二人を船員達は見飽きていたが、それが楽しい日常になっていた。
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