4人が本棚に入れています
本棚に追加
飛び出した精霊達はキラキラと太陽の光を反射させ、流星のように流れ消えていった。
「……きれー……い……」
「でしょ?」
「今の……私にも出来るの?」
「練習すれば出来るよ? ねぇ……アリシア……君、魔法騎士軍に入らないかい?」
「え? どうして?」
泉に手を翳し早速練習し始めながら、問い掛けに問い掛けで答えるアリシア。
「他にも魔法はもっと覚えられるし、それに、森にずっと閉じこもってちゃダメだ!」
「でも……ママが……」
「ママ……?」
――パァァァァァァ――
泉が突然、眩しく輝き始め光と共に何かが現れた……。光に包まれ、現れたのはジーンでした。
「ま、ママ!?」
「アリシア……心配しましたよ……?」
「ごめんなさい……」
「お話しは大体聞いていました……アリシア、軍に入りなさい……そこで、色々学んで来なさい……」
ジーンは優しくアリシアを抱きしめてそう言った。そして、ウェンデルの方へ向くと……驚いた。
「あなたは……アリシアの……」
ウェンデル「……本当に居たのか!? ……ジーンは!」
ウェンデルは、驚いた表情のままジーンと眼が合った……それに気付くとウェンデルは首を横に振り、言わないでくれと眼で合図すると、ジーンは静かに頷きまたアリシアに視線を戻した。
「アリシア……とても寂しいけれど、あの人の言う通りです……森に閉じこもっていてはいけません……私達の事は気にしないで、行ってらっしゃい?」
「……ママ……」
涙を拭き、それでも涙は出たが必死に堪えて、アリシアは頷いた。
「わかった……ママ! 私、軍に入って色々勉強してくる!」
「ウェンデルさん……でしたか……? アリシアを……よろしくお願いしますね……」
「はい……任せてください…!」
そう言うと、ジーンは泉の中へと消えて行ったのでした。
「アリシア……明日には、僕も軍に帰るから、明日出発になるよ? いいね?」
「明日!? ……早いけど……うん、わかった!」
本当はもう少し母と居たかったが、長く居ればきっと迷ってしまう、母に甘えてしまう。そんな思いを胸に、アリシアは大好きな森と……母へ別れを告げ旅だったのでした。
―おわり―
最初のコメントを投稿しよう!