⑤ ツバキ

17/51
149人が本棚に入れています
本棚に追加
/762ページ
葵が駅に着いたのは9時50分。 約束の10分前だ。 天気は葵の味方をしてくれたのか気持ちよい秋晴れが広がっている。 ドキドキしながら好きな人が来るのを待つ。 『なんかこの時間て幸せかも…////』 そう思いながら待っていると ブオン!!!! バイクの音がして目を凝らすと、葵の目の前で黒いバイクが止まった。 ライダースジャケットにダメージジーンズ姿の人物がフルフェイスのヘルメットを取ると、金髪の髪がなびく。 「マヒロさん…////」 『カッコ良すぎて鼻血出そうかも…///』 葵が見とれていると 「――――遅なってごめん」 「いいいいえ!時間通りです////」 動揺しすぎの葵。 「バイクで来られたんですね…」 免許も何もない葵が一番悩んだのは交通手段だった。 自分から誘っておいて“運転してほしい”なんて言えないからだ。 「なんかサキに“バイクで行け”ってごり押しされてん」 「サキちゃんが…」
/762ページ

最初のコメントを投稿しよう!