⑤ ツバキ

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サキがアシストしてくれていたなんて。 何とも頼りになる。 「―――で、どこ行くん?」 「あっあの、M区にある水族館に行ってみたいと思って……」 考えに考えた結果、デートらしく、かつ賑やかすぎない水族館を選んだのだ。 ここなら海沿いにあるのでその後ゆっくり散歩も出来る。 「わかった。 コレ被って後ろ乗って」 そう言いマヒロがヘルメットを葵に渡す。 葵はヘルメットを受け取り、慣れない手つきでなんとか被った。 初めてバイクに乗るので、乗り方もおぼつかない。 『憧れたマヒロさんのバイクの後ろに乗れるなんて…』 ずっと教室の窓からマヒロがバイクで帰っていく姿を見ながら “いつか後ろに乗せてもらえたらなぁ……でもそんなの夢の世界よね” と思っていた。 その念願がついに今日叶ったのだ。 「あの…どこに捕まったらいいんでしょうか…」 バイクに乗った事がないので葵が聞いてみると 「――――俺に」
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