第1章 鷹、外史に降り立つ

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真っ白な世界から落下した俺は、分厚い雲の中に居た そのまま雲を突き抜けると、下には森林地帯が広がっていた 鷹斗「…………………………………」 俺は言葉を失った 正直、ここまで広大な大森林は今まで見たことがない 鷹斗「こういう景色も、悪くねえな」 俺は暫しの間、この景色に見とれていた しかし、そう悠長に堪能してもいられない 落下中である以上、何らかの手を打たないとこのまま大地に激突してしまう そうなればハイサヨナラだ 開始早々に死亡だなんて、どっかのRPGみたいなことは、俺は御免だぜ つう訳で… 『イーグルウイング』 魔法を使わせてもらう! 俺が魔法名を念じるとあたかも生えてきた様に、背中に鳥の翼が出現する 俺はその翼を羽ばたかせ、徐々に落下速度を下げていった そして… スタッ 無事、着地成功っと 俺は指をパチンと鳴らす それが解除の合図となり、背中の翼は光になって砕け散った 俺が降り立ったのは森の中を通る道の真ん中だった 耳を澄ますと小鳥の囀りや、小川のせせらぎが聞こえてきた 鷹斗「とりあえず村行くか」 そう言って俺は村に向かって歩き出した 何故、村があるってわかるのかって? 降りて来る時に周囲を確認したからさ 日も暮れかけた頃には村のすぐ傍まで来ていた しかし俺には金が無いし、こんな時間から働けるはずも無い しかたないので今晩は野宿をした 飯は適当にその辺の小動物を捕まえて食った 悪いな、ごちそうさん 俺は木の根本に腰を降ろし、念のため焔を抱いて、浅い眠りについた
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