第1章 鷹、外史に降り立つ

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翌日、俺は村を訪れた 村はそれなりの賑わいに包まれ、村のあちこちから店の客引きや笑い声が聞こえてきた 鷹斗「へえ、賑やかだな」 俺は愛刀の焔を腰に差しながら村の本通りを歩いていた 両脇には様々な店が立ち並んでいる するとあるメシ屋の前で… おっさん「お~い!そこの嬢ちゃん!ウチで食ってかねえかい?」 と明らかに俺に向かって叫ばれた ……まさかとは思うが念のため指を差して「俺?」と返した おっさん「そうそう嬢ちゃんだ!どうだい!寄ってかねえかい?」 俺は女じゃねえ! ………しかたない、おっさんの誤解を解きに行くか 俺はおっさんの下に行き… 鷹斗「おっさん、俺は男なんだがな」 と、少し怒りを込めて言った ところがそのおっさんは… おっさん「なんだそうかい!ガハハハハすまねえすまねえ!じゃあ改めてボウズ!ウチで食わねえかい?」 なんつうか…………太いな………いろいろと……… 鷹斗「悪いおっさん、食っていきたいけど今金がねえんだ」 おっさん「ありゃまなんだい?一文無しかい!?」 鷹斗「ああ、この村には路銀を稼ぎに来た様なもんだからな」 おっさん「ほ~う、そりゃあ大変だなあ!そういうことならタダで食わしてやりてえんだが、ウチも商売だからなあ」 鷹斗「いいよいいよ、俺もタダ飯にありつこうなんざ思ってねえし、野宿なら慣れてっからな」 元の世界でな こっちじゃ昨日の一晩だけだ おっさん「そうかい、すまねえなあ、力んなれなくて」 おっさんはいかにも残念そうに肩を落とす 鷹斗「気にすんなって、んじゃ、俺はこれから日雇いの仕事を探さなきゃなんねえからな、これで失礼するぜ」 そして俺はその場を去ろうと したんだが… おっさん「ちょっと待ちな!いいこと考えた!」 そう言うとおっさんは近くの椅子に座りテーブルに肘を着いて おっさん「まずは一勝負しようや」 と俺に腕相撲を挑んで来た イマイチ状況が読み取れなかったが、べつに断る理由も無いので俺も向かい側に座りおっさんの手を握った 鷹斗「いつでもいいぜ」 おっさん「んじゃいくぜ……………ふんっ!!!!」 鷹斗「っ!」 おっさんつえ~ こりゃ相当力あるわ! まあ、それでも俺の右手はびくともしてないんだけどな 俺はそろそろケリをつけるため、右手を… おっさん「ぬあっ!?」 倒した、もちろん左に
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