記憶の欠片

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「はっ…」 刺される瞬間、目が覚めた。 「なんなんだよ」 僕のことを『憲ちゃん』と呼ぶ女の人。 年齢も顔もわからない。 誰なんだ? 「はぁ…」 時計をみたら4時すぎを指していた。 寝たくても寝付けない。 誰なんだろう…それが頭を占領する。 布団の中で何度も寝返りを打っていたら目覚まし時計が鳴った。 僕は時計を止めて起き上がる。 「母さんおはよう」 「おはよう憲二、今日は珍しく時間通りね」 「あぁ、たまにはね」 「ご飯は自分でつけてね」 「はぁい」 炊飯器から食べる分だけよそい席に着く。 父さんも席に着くと皆でいただきますして朝食を食べる。 今日は味噌汁に焼鮭。 実に平和。 ハトよりも味噌汁の方が平和の象徴だと僕は思う。 朝食を食べ学校へ行く準備を済ませる。 忘れ物チェックもした。よしばっちりだ。 カバンを持ち部屋を出る。 「いってきます」 リビングに顔を出してから外に出る。
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