ワスレナグサ

日常

僕は井上憲二(いのうえけんじ)。
竹森高校の２-Ｂに通っている。もちろん史江も。
僕が始業式の日に遅刻して以来、史江と一緒に登校するのが日課になっている。
始めの頃は『付き合ってるのか～』なんてからかわれたが今は誤解も解け当たり前の光景になっている。

「おはよ～」
「おぉ井上、おはよう」

教室に入ると真山崇裕(まやまたかひろ)が先にきていた。
こいつは高校で初めてできた友達。
色々相談乗ってくれるし頼りにしてる。
崇裕と一緒にいるときが一番楽しいかもしれない。

「井上小テストの勉強した?」
「そんなんしてねぇよ」
「俺も」

二人で笑いあい必死に悪足掻きをした。
こんなことでも楽しいと思えるのは崇裕のおかげかも。