出会いの春

2/33
前へ
/47ページ
次へ
満開だった桜がぽつぽつと散りはじめるようになった今日。 今日は記念すべき日だ。 散っていく桜で優雅な気分を味わいながらゆっくりと歩く俺、磯上稚流。 今日は北朱雀高校の入学式。 俺は野球の強い高校に行こうとも思ったが寮生活もめんどくさいし家から近いこの北朱雀高校に入学する事を決めた。 どんなチームなのか。 どんな仲間が待っているのか。 勉強にはついて行けるのか。 そんな事を考えていると楽しみになっていく。 今日は…きっといい日になるだろう。 おっ!校門が見えて来たな! 校門の前には先生が立っている。 「えっと…君が磯上君ですね。」 「あ、はい。」 いきなり名前を呼ばれてびっくりする。 そんなに俺は有名なんだ…なんか照れるな。 少しにやけてしまいそうになるのを堪える。 そして先生は口を開いた。 「遅刻しているの貴方だけですよ!早く体育館に行きなさい!式始まってますよ!」 ………はい。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加