出会いの春

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『―――これで入学式を終わります。』 とりあえず遅刻した入学式は終了となった。 退場は1組からなのでさっさと退場していく。 遅刻したからか居心地悪いし。 体育館を出るときっちりとしていた列も徐々に崩れていく。 「よう!」 いきなり背中を叩かれた。 振り向いてみるとそこにいたのは中学時代同じ野球部だった夏 大樹(ナツ ダイキ)だった。 大樹は脚が早く小技も上手かったので中学でも1、2番を打っていたショートだ。 「大樹か!なんか久しぶりだな!」 「確かに引退してからあんま喋る機会なかったしな。」 「大樹は野球続けるのか?」 こいつが野球部に入ってくれたらそれほど頼もしい事はない。 「正直続ける気はなかったけど…お前は続けるんだろ?」 「当たり前だろ。」 「ならまたやってもいいかな。お前が投げてると守備が楽でいい。」 「ははっ!高校ではそうゆう訳にもいかねーよ。」 「なぁ?」 「どうした?」 「俺ら、いつの間にかみんなと逸れてるぞ。」 えっ?道理で静かだと思った。 「俺、教室の場所知らないんだけど…」 だって俺は遅刻したから体育館直行だったし。 「しゃあねえな。案内してやるよ…と言いたいがここ何処だ?」 俺達道に迷ったみたいだ。
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