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時は過ぎ、日も暮れた
それでも花は美しさを纏ったままだった
「……?」
不意にある花が目に入った
昼は閉じていた花だった
美しく…どこか寂しそうなな花に私は見入っていた
「どうした…あぁ、月下美人か」
「月下…美人……?」
今までの花の名とは、少し違うな…
「そう、月下美人
夜に咲いて、朝には枯れる…特殊な花さ」
夜に咲いて…朝には枯れる…
だから私は寂しそうなと感じたのか…
私は納得し、月下美人をもう一度見る
「花言葉ははかない美、はかない恋、繊細、快楽、ただ一度だけ会いたくて、強い意志…だったな」
花言葉を作ったのは誰だろう?
こんなにも的確に花の意味を作ってしまうなんて……
「夜風は体に触る
早く寝た方が良いぞ」
「ありがとう、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
煙管を吸い、微笑んで桜月は奥に去って行った
私も貸して貰った部屋に向かった
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