第二話

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  時は過ぎ、日も暮れた それでも花は美しさを纏ったままだった 「……?」 不意にある花が目に入った 昼は閉じていた花だった 美しく…どこか寂しそうなな花に私は見入っていた 「どうした…あぁ、月下美人か」 「月下…美人……?」 今までの花の名とは、少し違うな… 「そう、月下美人 夜に咲いて、朝には枯れる…特殊な花さ」 夜に咲いて…朝には枯れる… だから私は寂しそうなと感じたのか… 私は納得し、月下美人をもう一度見る 「花言葉ははかない美、はかない恋、繊細、快楽、ただ一度だけ会いたくて、強い意志…だったな」 花言葉を作ったのは誰だろう? こんなにも的確に花の意味を作ってしまうなんて…… 「夜風は体に触る 早く寝た方が良いぞ」 「ありがとう、おやすみなさい」 「おやすみなさい」 煙管を吸い、微笑んで桜月は奥に去って行った 私も貸して貰った部屋に向かった
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