第三話

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  私が桜月の家に住むようになって…もう1週間が経とうとしていた あの頃の記憶しかない私には日々が新鮮で、楽しい 毎日が驚きに満ちている… 幸せなのに…幸せな気分になっても、あの頃の記憶は薄れない… 「ほら、夢羽」 そう言って、菫の『押し花』を手渡してくれた 「可愛い…ありがとう」 桜月は本当に何でもできる… 凄いな… 「夢羽は桜の次に何の花が好きか?」 桜月が聞く 私は少し考えて 「リコリス…かな… 見てると、とても懐かしいの…」 と答えた 「リコリスか あれも良い花だな」 「桜月は?」 「我は梅だな」 梅… 桜月の家にはピンクの梅の木がある 桜の隣にあるから、同じ花のようにも見える
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