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「何か不満があるか?」
「いっいえ…
ただ、何故素姓が分からない私を引き取ってくれるのかな…と思って…」
「だから言っただろう?
暫く我は話をしておらんのだ
だから丁度良い、暇潰し相手…つまり、話し相手が欲しかったのじゃ」
そんな単純な理由で……
そう言おうとしたのを辞める
失礼だと感じたからだ
「宜しくな、夢羽
敬語は無し、そして呼び捨てで構わないぞ」
ニッと笑いかける顔に嘘は無い
そんな気がした
「宜しく…桜月…」
私もぎこちなく、笑いかえした
「………」
背後の誰かの気配に、その時の私は気付かなかった――――
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