第一話

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  「何か不満があるか?」 「いっいえ… ただ、何故素姓が分からない私を引き取ってくれるのかな…と思って…」 「だから言っただろう? 暫く我は話をしておらんのだ だから丁度良い、暇潰し相手…つまり、話し相手が欲しかったのじゃ」 そんな単純な理由で…… そう言おうとしたのを辞める 失礼だと感じたからだ 「宜しくな、夢羽 敬語は無し、そして呼び捨てで構わないぞ」 ニッと笑いかける顔に嘘は無い そんな気がした 「宜しく…桜月…」 私もぎこちなく、笑いかえした 「………」 背後の誰かの気配に、その時の私は気付かなかった――――  
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