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ゆったりと流れる時間は私に、安心感と共に幸せな気分に浸らせてくれた
桜月のつきない話に耳を傾け、桜を見る……
そうすると、ずっと昔からそうしていたような感覚に陥る…
何故だろう……
「夢羽は桜が気に入ったか?」
唐突に聞かれ、少し慌てた
「うん…凄く…綺麗だから…」
深く頷き、桜月と桜を交互に見た
そういえば桜月は、どことなく桜に似ているような…
「じゃあ、花言葉って知ってるか?」
「『花言葉』…?」
また新しい言葉…
「そう、花言葉
簡単に言うと花の意味だな」
「花の意味…」
花には意味がある…
こんなに綺麗なのだから、当然なのかもしれない
「例えば桜は、精神の美しさ、神秘な心、高尚、純潔だな」
「……」
どれも桜らしい花言葉…
「あの花は…?」
「ん?
野菊か、野菊は清爽だ」
「野菊…清爽…」
あれから様々な花の意味を聞いた
どれもその花らしい意味ばかりで驚いた
桜月も嬉しそうに話してくれた
こんな日々がずっと、ずっと
続いていけば良いのに……
私は花にそう願った
何故、花なのかは分からなかった
気が付けば、花に願っていたのだった
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