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おととしの春、僕はとある私立高校の入学式に来ていた。
着なれないスーツを着て、親にいいよ、と言いながらも半ば無理矢理入学式と書かれたデカい看板の前で写真を撮る。
何処にでもあるありふれた光景だ。
そんな中一際輝きを放っていたのが彼女だ。
これは完全なる僕の一目惚れだった。
これから始まる新生活の不安などわすれさせるほど衝撃だった。
僕は話の長い校長などには目もくれず、ただただ彼女だけを見ていた。
「新入生代表、並河咲良(サクラ)。」
はい、と言い立ち上がった彼女の顔は希望に満ち溢れていた。
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