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序幕
『私、お兄ちゃんみたいなピアニストになるっ』
少女は突然言い出した。当時彼女はピアノなんて触ったこともなかった。
『ははっ、お前には無理だって』
少女の兄が頭をがしがしと撫でながら言うと、むすっと頬を膨らませた。
『だったらお兄ちゃんなんかよりも有名になってやるんだからっ』
『やれるものならやってみろよ』
『うー!!負けないもん』
兄が笑っていて、妹はぽかぽか殴る。そんな微笑ましい兄妹だった。
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